夏休みの最後の日、ポコ太のお父さんはしごとで遠くへ出かけていくことになりました。ポコ太はお父さんが大好きだったので、悲しくて泣いてしまいました。お父さんはこまった顔で言いました。
「ポコ太、泣かないでおくれ。お父さんの留守にお母さんを守ってほしいのに、ポコ太が泣いていたらお母さんは心配してしまうだろう?」
ポコ太はそれを聞いて、がんばって泣きやもうとしました。
「よし、えらいぞ。お父さんはポコ太に手紙を書くよ。きっと楽しいぞ」
ポコ太はうなずいて涙をふくと、笑顔になりました。
ある日、ポコ太が学校から帰ると、お父さんから手紙が届いていました。
“ポコ太、元気で学校に通っているかな?お父さんは今、考古学者と一緒に遺跡の発掘をしているんだ。この遺跡からは古代の楽器が出土したのだけど、演奏のしかたを誰も知らないんだ。遺跡の中からは楽譜も見つかった。けれど誰もそれを読むことができない。それを解読するのがお父さんのしごとだ。古代の曲はどんな音楽だったのか、想像するだけでわくわくするよ。”
ポコ太は手紙を読んでいるうちに、お父さんと同じようにわくわくしてきました。
手紙には古代の楽器の写真が入っていました。細長い板が何枚もならび、中央には背骨のように長い筒がついている、見たこともない形をしていました。筒の先はラッパのように大きく広がって、両側にたいこのような丸いものがついています。
これはどうやって使うものだろう?とポコ太が考えていると、頭の中で不思議な形の楽器が鳴り出しました。
ぷあー、ぷあー、からん、しゃん
ぷあー、ぷあー、からん、しゃん
気がつくと、ポコ太は夕暮れの草原に立っていました。太陽は地平線にしずみかけ、きもちのいい風がわたっていきます。
「おかしいなぁ、ぼくは部屋にいたはずなのに」
やがて人が集まってきて、たき火の周りを囲んでおどりがはじまりました。
ぷあー、ぷあー、からん、しゃん
ぷあー、ぷあー、からん、しゃん
しゃん、しゃん、しゃん、しゃん
広い広いうすむらさき色の空に、楽器の音とやさしい歌声がすいこまれていきます。それは今まで聞いたことのない音楽でした。まるで綿毛につつまれた小さな部屋の中で、白木でできたおもちゃが薄い金属の風鈴とおしゃべりしているような、かろやかでやわらかな音でした。知らない言葉の歌が、高く低く、遠く近く、よびかけるように、ささやくように、つづいていきます。高い声を低い声が追いかけ、男の声を女の声がつつみこみ……不思議な旋律に聞きいっているうちに、天に星がまたたきはじめました。
ポコ太は、集まった人たちの中にお父さんがいないか探してみましたが、もう暗くなって顔がよく見えません。
そのうち音楽はだんだんテンポが速くなっていきます。
からころからころからころからころ
からからしゃんしゃん、ぽーぽーぽー
かけ足の演奏に合わせておどりの輪もクルクルクルクルと回り、どんどん速くなります。
そしてそのうち音楽は、聞きおぼえのある音に変わっていきました。
しゃんしゃん、しゃんしゃん、
ぴーぴー、どんどん、かかかっかっ
ぴーぴー、どんどん、かかかっかっ
ポコ太が目をさますと、部屋はもうすっかり暗くなっていました。遠くで笛とたいこのおはやしが鳴っています。ポコ太は今日から秋祭りだったことを思い出しました。
「夢だったのかぁ」
“ポコ太、元気かい?お父さんは今、流氷のすきまを行く船で、オーロラのかなたにあるという幻の星座を探している。夜空の星たちは、まるで氷の粒のようだ。船乗りの連中は、荒っぽいけれど根は優しくて、船にのりなれないお父さんのことをいつも気づかってくれるよ。”
その手紙にはオーロラの写真が一枚入っていました。
ポコ太が写真から目を上げると、すぐ横にお父さんが立っていました。
吐く息は真っ白で、つめたい空気に肌がひりひりします。
夜が明けると、まわりはすっかり凍りついた海と、氷のような水色の空ばかりです。
船は流氷をぬけて何日も何日も航海をつづけ、世界中の港を回りました。アフリカの砂漠の街では、あざやかな色の服を着て、頭につぼをのせた女の人たちから、航海に必要な食糧やスパイスを買います。インドではやわらかな布地を仕入れ、中国ではつやつやした箱やつくえが船につみこまれました。
「このきらきらしたかざりは螺鈿細工といって、貝がらでできているんだよ。千年も前に作られたんだ」と、お父さんが教えてくれます。
そしてなんと、船はいつのまにか大きなクジラになってしまっていました。甲板に出ると、そこはクジラの黒くてつるんとした背中です。
目がさめたポコ太は、お父さんと荒くれの船乗りたちがのったクジラの船の絵を描いて、旅をつづけているお父さんに送りました。
“ポコ太もお母さんも元気かい?お父さんは今日ケーキを焼いたよ。パリで一番の菓子職人と友だちになったんだ。彼はもう30年もケーキを焼いているんだけど、彼の亡くなったお母さんが作っていたフルーツケーキだけはどうしても作れない。そこで、お父さんはそのケーキに使われていた香りを探すてつだいをしたんだ。そのおれいに、とっておきのケーキのレシピを教えてもらったよ。さすがに菓子職人の腕にはかなわないけれど、そこそこおいしいケーキが焼けたと思う。家に帰るころまでにはもう少しうまく焼けるようになっているかな?”
手紙をとちゅうまで読んだポコ太は、お父さんは日曜日の朝になるとホットケーキやフレンチトーストを作っていたのを思い出しました。ポコ太もたまごを割ったりおさとうを量ったりしてお父さんをてつだいます。いつも早おきのお母さんは、日曜日だけはゆっくりねぼうをして、三人でお父さんの作った甘い朝食を食べるのでした。
今度の写真はパリのケーキ屋さんのショーウィンドウでした。キラキラした金色のしんちゅう細工でふちどられたガラスケースの中に、色とりどりのきれいなケーキがたくさんたくさんならんでいます。いったい何十種類あるのでしょうか!
これはとても数えきれないや、とポコ太が思った時には、ケーキの列は写真のふちをこえてポコ太の目の前にずらりと並んでいました。あたりにはバターの焼ける香りと、くだもののあまずっぱいにおいがたちこめています。
すっかりうれしくなったポコ太は、夢中でケーキをながめました。なんといっても、ポコ太が大好きなチョコレートケーキだけで十種類以上あるのですから。まっ黒なつやつやしたチョコソースの上に、まっ赤な木いちごが乗っているケーキ。ナッツをねりこんだ生地の上に、カフェオレ色のクリームがバラの形にしぼられたケーキ。むこうにはフルーツのタルトが並んでいます。お父さんの好物のアップルパイや、お母さんが大好きなマンゴーのタルトもあります。そして香ばしいクッキーにカラフルなマカロン。ケーキを買いに来たおばあさんや子どもたち、若いカップル、帽子をかぶった紳士、みんなみんなしあわせそうな顔でえらんでいます。
お店の奥からあらわれたお父さんは、ポコ太を厨房にいれてくれました。そこでポコ太とお父さんは、お母さんにケーキを焼くことにしました。もうすぐお母さんの誕生日なのです。どんなケーキにしようかな?とお父さんは言って、ポコ太はさっそく材料をえらびはじめました。お母さんが好きなものが全部入った、すてきなバースデーケーキを焼くのです。まぶしい黄色のマンゴーや、とろけそうないちじくや、宝石のようにかがやくいちご。スポンジには甘いリキュールをひとたらし。
そこでポコ太は「あっ」と言いました。
「ねえ、ぼくわかったよ。秘密の香りはこれでしょう?」
お父さんは答えるかわりに、パチンと片目をつぶってみせました。
しあげにたっぷりの生クリームをぬって、その上にチョコレートのリボンをくねくねとかざり、これまで見たこともない大きなバースデーケーキができあがりました。
「ちょっと大きすぎたかなぁ?」
「ポコ太があれもこれも入れるからだよ」
とてもポコ太ひとりで持って帰れそうにありません。そして不思議なことに、そうしてながめている間にもケーキはちょっとずつ大きくなっているような気がするのです。
このままじゃケーキに押しつぶされちゃう!
と思った時、ポコ太は目をさましました。やっぱり夢だったのです。
ポコ太はお母さんの誕生日に、お父さんと作った大きな大きなケーキの絵を描いて、プレゼントしました。そして、ホットケーキの上に生クリームといちごをかざった、小さなケーキを作りました。
“ポコ太はおおきくなったら何になりたい?お父さんは子どものころ、音楽家になりたかった。今でもその夢はあきらめていない。それどころか、もしかしたらその夢がかなうかもしれないんだ!
お父さんは今、ある動物園にいる。ここはお父さんの友達が園長をしているんだ。とっても広くて、森がまるごと動物園の中にあるんだよ。川も流れていて、川の上流の山の奥には滝もある。世界中から動物たちを集めて、広い森の中で、できるだけ野生に近いように飼育している。でもね、さいきん動物たちは元気がなくなってしまったんだ。
考えてもごらん。地球上には、いま昼間のところもあれば夜のところもある。夏のところもあれば冬のところもある。気候も季節もちがう土地からつれて来られた動物たちは、本来眠らなければならない時間に眠ることができなくなってしまったんだ。
こまった園長は、あちこちの専門家に聞いて回ったけれど、いい方法が見つからない。そんなある日、飼育員のひとりが音楽をかけながら掃除をしていたら、何日も眠っていなかったオランウータンがうとうとと眠りだしたのさ。さっそく動物園では色々な曲をかけてみた。しらべてみると、曲を聞いて眠れる動物と眠れない動物がいて、曲によっても効果がちがうらしい。そこで園長がお父さんに連絡をしてきた。動物たちがみんな眠れる音を探してくれってね。”
ポコ太はこの日は、もうすっかり夢でお父さんに会いに行くつもりでした。土曜日の夕食を食べてすぐに、ベッドに入って手紙を読み始めたのです。次の日は学校がお休みなので、朝ねぼうしてもだいじょうぶ。夢の途中でおこされる心配はありません。
手紙にはあんのじょう、動物たちにかこまれたお父さんの写真が入っていました。お父さんのとなりには、赤ときみどりの羽根と黒いくちばしをもつ、大きな鳥を肩にのせた、めがねをかけた男の人がいっしょに写っています。きっとこの人が動物園の園長さんだな、とポコ太は思いました。
もう十一月もおわりのはずなのに、とつぜんポカポカとあたたかい空気につつまれてポコ太が顔を上げると、そこはもうジャングルの中。頭上においしげる緑の葉っぱのむこうから、まぶしい太陽の光がさしこんできます。木のこずえのほうからはさわがしい鳥の鳴き声が聞こえ、木々のむこうからは何かが水にとびこむ音がします。やわらかい土をふんで森の中の道をすすんでいくと、丸太でできた小屋のある広場に出ました。
小屋の前には木のベンチがあり、お父さんがすわっていました。手には、あの遺跡で発掘した古代の楽器を持っています。
「やあ、ポコ太」
「お父さん、その楽器を弾けるの?」
「うん、今しらべているんだ。この音で動物たちが眠ってくれるんじゃないかと思ってね」
ポコ太はわくわくしてきました。早く聞いてみたくてしかたがありません。でもお父さんは首をふります。
「ポコ太、今はだめだよ。夜にならなくちゃ動物たちを眠らせられないよ」
「でもお父さん、夜におきている動物もいるんじゃないの?」
「そうだね。だから昼と夜は違う曲を演奏するんだよ。ほら、もうすぐ夕方になる」
昼に眠る動物は夜の曲では眠らないということだろうか?ポコ太がお父さんの言葉の意味を考えながら見わたすと、ちょうどあたりいちめんだいだい色の光にそめて、金色の太陽が木々の間にしずんでいくところでした。そうしてしばらくすると、森はすっかり群青色の夜に包まれたのです。
夜の森ぜんたいに音楽がひびきわたるように、園長さんとお父さんとポコ太は、広い動物園のまんなかの小高い丘の上に立ちました。そしてお父さんがあの楽器をしずかに鳴らしはじめました。
ぷあー、ぴーぃ、ぽろん、ぽろろ……
ポコ太は前にその音を聞いたことがありましたが、記憶の中の音よりも透明で、さびしいせつない音に聞こえました。ところがどうでしょう。足元に広がる森の中から動物たちの鳴き声が聞こえてきて、だんだん演奏に合わせて歌いだしたのです。
ポコ太は楽器の横についているたいこをたたいてみました。
ぽん、ぽこ、ぽん、ぽこ、
ぼん、ぼん、たたん
すると森の中から、木をこする音や枝をゆらす音がわきおこりました。
サルは大きな木の実をたたき、ワニはがんじょうなしっぽで水面をかきまわし、ぞうは鼻を持ち上げて木々をリズミカルにゆらし、鳥たちはかんだかく大合唱。
もうちっともさびしい音なんかじゃありません。
夜の動物園は、今やもう動物たちのオーケストラです。
ポコ太はすっかり楽しくなって、となりのお父さんを見上げると、お父さんもまるで子どものようにはしゃいだ笑顔でポコ太を見ました。
動物たちの鳴らす音に楽器の音がかき消され、いよいよ聞きとれなくなってきたころ、曲はクライマックスをむかえ、そうして唐突に静寂がおとずれました。
思うぞんぶん歌いおどった動物たちは、みんなもうやすらかな眠りの中です。
ポコ太もお父さんもさすがに少しつかれました。二人ならんで夜空をながめ、星座の当てっこをしているうちに、いつの間にか眠ってしまいました。
クリスマスの朝、ポコ太の枕元にはきれいなブルーのリボンのかかった箱と、お父さんからの手紙がおいてありました。プレゼントはすてきな天球儀です。そして、手紙には写真のかわりに小さな星のかけらが入っていました。
“ポコ太、お父さんは宇宙船にのっている。地球で星空を見上げるのはとても楽しいけれど、宇宙で星たちに囲まれている気分は本当にすばらしい。地上で見る太陽は、あたたかくて恵みをもたらす、大地の母のようにたとえられるけれるね。でも宇宙で見る太陽のはだかの光は、強烈でひたすら圧倒される。月の大地はつめたく青白くうつくしい。地球は鼓動が聞こえるほどにいきいきと息づいていて、生命にあふれた星であることが本当によくわかる。
この船の乗組員は色々な専門家がいるんだよ。パイロットやエンジニアはもちろん、医者、動物学者、料理家、醸造家、スポーツのインストラクター、お坊さん、ヴァイオリニストに植物学者……さまざまな知識を持った人たちと友だちになれるんだ。お父さんは、何万種類もの花の種を持った人と友だちになった。土と大気のある星についたら、その土を採取して、持ってきた種をうえてみるそうだ。うまくそだてば、宇宙でその花は咲きつづけるだろう。”
いつもの写真がないので、ポコ太はしかたなくベッドにねころがり、星のかけらをながめました。星のかけらは黒いキラキラした結晶がたくさん集まってできていて、万華鏡をのぞきこんだように、はてしなく奥まで光の粒が連なっています。手のひらにのるほどの小さなかたまりなのに、その黒い結晶の中に無限の宇宙空間が広がっているように思えてきます。角度を変えるたびに明滅する光は、何万光年のかなたの遠い星雲です。
その夜は夢でお父さんに会いに行くことはできませんでした。そのかわりポコ太は、北斗七星にある双子の太陽や、宇宙船のすぐ横を通りすぎる彗星や、宇宙船のガラスの温室いっぱいに咲く花のことを想像しました。不思議なことに全然眠くならないのです。夢はあっという間にさめてしまうけれど、お父さんのいる宇宙のことはいつまででも考えていられました。天球儀を回したり、星のかけらに見いったりしながら、ポコ太はいつまでもいつまでも空想の宇宙旅行をつづけました。
その手紙が届いたのは、学校の帰り道で雪の中にふきのとうが顔を出しているのを見つけた日のことでした。
“ポコ太、元気かい?実は少しこまったことになった。お父さんたちは、時空を超える天体を見つけてしまった。
それはとても古い、小さな星で、もうすぐ寿命をむかえるのをしずかに待っているんだ。そしてそこでは、そのおじいさん星が生きてきて死ぬまでの何億年という時間を、自由に行き来できるらしいことがわかった。つまり、その星に行けば、遠い過去や、遠い未来へも行くことができるんだ。
ポコ太。
お父さんはこの星に行かなけりゃならない。
時空を超えて、古代の失われた音楽を探しに行くんだ。
おぼえているかい?遺跡で見つかった古代の楽器のことを。見つかった楽譜も読めなくて、演奏のしかたがわからない楽器のことを。時空のかなたでお父さんはきっと夢をかなえてみせる。古代のうしなわれた音楽を、星々が奏でるはてしない宇宙の音楽を、見つけてくる。
もしかしたら、ポコ太やお母さんにはもうにどと会えないかもしれない。だけどね、ポコ太。過去も未来も、ほんとうはつながっているんだよ。お父さんが行く過去も、ポコ太が生きていく未来も、どこかでつながっているんだ。
たとえ会えなくても、お父さんはポコ太はお母さんといつもつながっている。宇宙はそうやってつながって、つづいてきたんだからね。
お父さんは、いつかポコ太が夢をかなえるのを、この宇宙の、どこかの未来で、きっと見届けるよ。”
それきり、お父さんはまだ帰ってきません。お母さんはお父さんに会いたくて時々泣いているようでしたが、ポコ太はもうさびしくはありませんでした。
夢で会えなくても、お父さんの旅している宇宙を想像することはいくらでもできます。
ポコ太はそれを絵に描きます。
空想の世界だけではなく、友だちとあそんだことや、四季の風景や、お母さんが作るおいしい料理も描きます。お父さんがいつかポコ太の絵を見て、ポコ太の世界を知ることができるように、毎日絵を描いています。そしてもう少し大きくなったら、世界中を旅して、いつか夢で見た空いっぱいの透きとおったオーロラや、太陽にやかれて金色にかがやく砂漠を描きに行きたいのです。
でも、古代に旅したお父さんが作っているはずの音楽を探すために、考古学者にもなりたい。ケーキが焼けるようにもなりたいし、宇宙人にも会ってみたい。
ポコ太は夢がいっぱいです。
晴れた夜、ポコ太はきまって星空を見上げます。もしも時空をこえることができたら、あの夢の中の、古代の楽器が鳴りひびく夕暮れのお祭りを見に行けるでしょうか。
あれはどこの国なのでしょう。それとも地球上ではない、どこか遠くの星でしょうか。
それはどれだけ昔のことか……
いいえ、もしかしたら、ずっと未来のことかもしれません。
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