ゆらゆら。

ゆらゆら。

 よるの うみに ゆらゆら くらげ。

 うみの うえに ぽっかり まんげつ。

 つきも まんまる。

 くらげも まんまる。

 くらげは つきをみて いった。

「ずいぶん あかるい くらげだなぁ」

 すると ものしりの いかが すーっと およいできて いった。 

「おいおい、あれは くらげじゃない。つきだよ」

「つき?つきって、なんの さかなだい?」

「つきは さかなじゃないよ。そらに うかんでいるんだ」

「ふうん。おちてこないのかい?」

「さあね」

 ものしりの いかは すいーっ、ついーっと およいでいった。

 くらげは また つきを みあげた。

「そらに うかんでいるのかぁ。そらの うえに いってみたいなぁ」

 

 すると そこへ あかりを いっぱいつけた ふねが やってきた。

 なみの うえに ぷかぷか おふね。

 なみに ゆられ ゆらゆら くらげ。

 ぱっしゃん!

 くらげは なみの うえに とびだした。

 そして ふねに とびのった。

 うみの うえに でたのに、つきには まだまだ とどかない。

 みあげると たかい マストが たっている。

 マストの さきに まあるい まんげつ。

 くらげは マストに よじのぼる。

「いちばん てっぺんまで いけば つきに とどくかな?」

 くらげは マストの てっぺんに ついた。

 それでも つきには ぜんぜん とどかない。

 

 あさが きて、ふねは みなとに ついた。

 みなとは ひとで いっぱい。

 まるで イワシの むれの よう。

 つきは どこかへ かくれてしまい、かわりに たいようが まぶしい。

 そのとき、たいようの よこを ぎんいろに ひかる とりが とんでいった。

 とりの うしろには ながい くも。

「ずいぶん はやい とりだなぁ」

 すると くいに つながれた いぬが いった。

「おいおい、あれは とりじゃない。ひこうきだ」

「ひこうき?」

「ひこうきは とりよりも ずっと おおきくて、 ずっと たかく、くもの うえまで とべるんだ」

「ふうん。それは、つきよりも たかい?」

「さあね。おなじくらいじゃないのかい」

 いぬは すいふに ひかれて いってしまった。

「ひこうきに のれば つきまで とどくかしら?」

 

 くらげは みなとの つみにに かくれて ひこうじょうに いった。

 ひこうじょうには たくさんの ひこうきが いた。

 くらげは いちばん おおきな ひこうきに のりこんだ。

 さいわい せきは すいていて、くらげは いごこちのいい まどぎわに ぺたんと はりついた。

 ひこうきは ものすごい おとを たてて、そらへ とびたった。

 ああ、つかれた。

 くらげは あくびした。

 そらの うえで ふわふわ くらげ。

 まどの そとは まっかな ゆうやけ。

 

「おや、くらげと あいせきか」

 とつぜん こえが して、くらげは ゆめから さめた。

 となりの せきには、めがねをかけた おとこのひとが すわっていた。

 まどの そとは もう まっくら。

 くもの うえまで きたのに、つきは まだまだ とおい。

 となりの きゃくは かがくしゃ だった。

 あさに なって ひこうきが ちゃくりく すると、かがくしゃは くらげを つれて ひこうきを おりた。

 

 けんきゅうじょに ついて、すっかり しぼんでいた くらげを すいそうに いれると、くらげは ゆらゆら およぎだした。

「きみ、うちゅうに いってみる きは ないかい?」

 かがくしゃは めを きらきらさせて くらげに きいた。

「うちゅう?それは、そらより たかいの?」

 くらげも きらきら ひかって きいた。

「ああ。つきにだって かせいにだって いけるぞ」

 くらげは うれしくなって、くるくる まわった。

 やがて くらげは おおきな すいそうに いれてもらって、ロケットに のせられて うちゅうに とびたった。

 かがくしゃは くらげが さびしくないように、すてきな おんなのこの くらげも いっしょに のせてくれた。

 ロケットは ひこうきの なんじゅうばいも おおきな おとを たてて、そらを つきぬけ つきに ついた。

 しろい つきに ゆらゆら くらげ。

 ちきゅうを みあげ ゆらゆら くらげ。


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